『薪の結婚』

クレインズ・ヴュー3部作?の2作目なんだそうだけど、私は「蜂の巣にキス」がどうにも苦手なので、個人的にはどうでもいい(笑) フラニーの醸し出す男の魅力も、全然どうでもいいっす。

…実にキャロルらしい作品と言えます。基本的なテーマは初期の長編3作くらいで出揃ってる感もアリアリなのですが、それをキャロルらしいといえば、まあそうなのでしょうね..

私の中ではやっぱりどうしても!キャロルといえば「死者の書」と「我らが影の声」(特に後者!)なので。これらを自分で超えるのは、もう無理なのでしょうね、きっと..はっきり言って文書を書く技巧が如何に向上しても、あの初期の作品がもつ怖さには勝てない!

物語が完全一人称で進むのでも主人公の現在一人語りで進むのでもなく、部分的にそこそこ目新しい表現が見えるのは、少し新鮮。

主人公の示してきた特殊な技能を、終盤”ある種の一族”の能力と言い換えた辺りも、少し新鮮といえば新鮮。そして珍しく(?)終わり方がそこそこ綺麗なのは、ちょっといい感じです。

…例によって主人公を取り巻く超素敵でウィズ・イットな人々オンパレードにはいい加減飽き飽きです、私は。まあ今回は控えめな方かな? でもね..

とはいえ例によって表現として「これは!」と思わせる斬新なものをちりばめてこれるのもキャロルの凄さであり、今回は個人的にその辺りやや評価高めです。

…訳者さんが代わりましたね。残念ですが、結構新しい方も上手だと思います。正直読んでて気づかなかったし。

最後に。作中でタクシーの運ちゃんが「”ネバーウェア”の最終回を観ないといけない」と話すシーンにちょっと感心(確かイギリスでドラマ化されている筈)。

キャロルとニール・ゲイマンの作品には確かにかなり似通ったテイストが感じられる(神とか天使とかの扱いが..)ので。