『宇宙の戦士』

当時はパワード・スーツが好きで(笑)「ガンダムの元ネタである」という、今ではかなり微妙な煽りを受けて読んだわけですが。その間にも何度も何度も読み返しましたけど、やっぱり凄い!

右がかった描写とかは、正直(慣れもあるのか?)別になんとも思わないのですけどね。でもまあデュボア先生(元中佐にしてハインラインの分身)仰るところの、「人間として耐え忍ばれる最も崇高な運命は、愛する祖国(ホーム)と戦争の荒廃とのあいだに、その身命を投げ出すことだ」とは決して思わないのですけど。

…最近いろんなとこで、「軍隊に身をおくものは、祖国とかいったものへの愛情で戦うのではなく、家族や所属する小隊への愛着などを、主要な動機付けにして戦うことが多い」といったような調査の結果を聞くのですが。私もそうだと思うし、ハインラインも図らずも本書でそれを示しちゃっているのかな、と思います。

今の自分の立場としてみると、これはハインラインの描く(ヒトによってはアンチ)ユートピアの話、なんだろうなと感じます。

・理想的な敵(=究極の共産主義)

・理想的な軍隊組織

・理想的な軍隊組織に運営される理想的な社会

・理想的な教育

・理想的な上司

・理想的な職場

の話を、SFの体裁の中で、していたのであろうなぁと。

それ自体は別に決していけないことではなく、私自身この本から今もって学べるところが多いのですけど。

…この作品及びそれが伝えるメッセージが、今に至るまで、私の価値観に物凄い大きな影響を与えていたのだな、と今回の読み返しで思い知らされたのでした。

15歳のときは、基本的に左側だよなと思っている私が!15分くらい真剣に「自衛隊に入るしかない!」と思い詰める程度には強烈な魅力に満ちた!ハインラインの世界のひとつの完成形、なのです。

これからも何度でも読み返すでしょう。